I me Mine

根暗なマイハートのネジを巻け!

物価の坂の上の雲


1.物価が2%上がるのなら、我々の預金金利も2%以上になってくれないと困る。預金の価値が毎年目減りすることになりますな。このことから銀行預金から株式投資に向かうシナリオもあるが、高度成長期の日本でもそうはならなかったようですな。貯金より消費マインドが広がるかどうか社会保障しだい。


2.住宅ローンを変動金利で組んでいる人は利払いが増える。住宅ローン試算によると変動金利1%が2%になると2千万円の35年払の場合、年12万円の利払増。不測の利上を避けるため予め3〜4%の固定金利を負担している人も多いので、変動金利が上昇したとき国や銀行がどう取計うかは分からない。


3.高度成長期には物価上昇→労使交渉→賃上げの繰り返しだったそうだ。年収400万円の給与2%アップは8万円。ところで、銀行が企業に貸す利子も上がるだろう。銀行はお金を売る職業だから、日銀からの仕入利息がゼロでも運用で物価上昇分を超える利回りが確保できなければ金を持っているだけ損。


4.国債の利回り。1年国債が0.1%なんだけど、物価2%局面になったらこんな利息の低い債券など誰が買うのか。ちなみに30年国債で毎年の利払いが2%となっている。すなわち、物価上昇は各方面にメリットデメリットがありそう。国会でしっかり議論して業界や消費者の意見を聞いてみたらどうか。


5.なお、投資の本によると一般的に株価が上がると債券価格が下がる関係にあるとされています。投資マネーが株式に流れるため、①国債発行で予算不足額を賄うことが難しくなる。②金融機関が保有する国債価格が下がり銀行の体力を削ぐというの物価・株価上昇による2つの崖があると思う。


6.先の2つの崖を飛び越える策が、日銀が銀行団の保有する債券を買い取る=金融緩和と呼ばれるものの正体、なのだろうか。物価の坂というか雲の中の綱渡りにならないだろうか。


7.デフレは脱却した方がいい。金利も市場原理に基づくものなら甘受する。しかし、意図的政策的に極端な舵取りをするつもりなら、負の側面への手当も必要になる。