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根暗なマイハートのネジを巻け!

東京の島々

東京の島々について聞かれたらどうしようと考えているが、誰も聞いてくれないので書いておく。


●伊豆諸島・小笠原諸島総論●
「伊豆諸島」という名前から静岡県を連想される方が多いですが、東京都の管轄にある島々です。「小笠原諸島」には、日本の最東端である南鳥島と最南端である沖の鳥島が含まれています。これも東京都です。伊豆諸島と小笠原諸島を「東京諸島」総称する動きがありましたがあまり浸透していません。
このなかで東京から約100キロにある大島、東京から約1000キロ先にある小笠原母島まで11の島に人々の営みがあります。
伊豆諸島では、大島・利島・新島・式根島神津島三宅島御蔵島・八丈島・青ヶ島の9島。人口9千人程度の大島と八丈島が何かと規模が大きく2つの軸足といえるでしょう。人口が少ないのは青ヶ島御蔵島で300人未満です。
小笠原諸島父島母島の2島で、合わせて2千5百人程度です。


◆交通手段◆島への交通手段ですが、港区竹芝から大島・利島・新島・式根島神津島三宅島御蔵島・八丈島・小笠原父島に船便があります。
青ヶ島へは八丈島からヘリコプターか船で行きます。小笠原母島には父島から船で行きます。
空便の有無は島によって異なりますが、飛行機は調布と羽田から出ています。島と島を結ぶヘリコプターもあります。
目安としては、大島には高速船で2時間(飛行機35分)、八丈島には大型船で11時間(飛行機45分)、小笠原父島には大型船(週1便)で25時間30分程度(飛行機なし)です。
http://www.tokyo-islands.com/v3/contents/koutsu_jyohou.html

疑問1「伊豆七島っていうけど?」
伊豆七島」と呼ばれますが、上記に挙げたとおり伊豆諸島には現在9島に人々が定住しています。7つの島の定義には諸説ありますが、一般的な数え方では、式根島青ヶ島が除かれています。式根島は新島の一部として扱われ、青ヶ島は人口が少ないから除かれているようです。おそらく「七」が縁起がいいのでニックネームとして伊豆七島と呼ばれているのだと島のある方が言っていました。

疑問2「島って夏の海だけじゃないの?」
島というとダイビングや魚釣り、海水浴など海のイメージが強いと思います。もちろん、各島で海のレジャーは楽しめますけれど、海だけじゃない島の自然を楽しむイベントやオプショナルツアーも豊富です。

●島各論●


伊豆大島

椿(園芸種)
椿のシーズン到来です。
椿まつりは、1月31日から3月29日まで開催され、椿園や、夜まつりなどのイベントが開催されて賑わいます。
http://www.tokaikisen.co.jp/packtour/winter2009/tsubaki_index.shtml

大島で、私が個人的に気に入っているのは、貝の博物館「ぱれらめーる」です。展示規模が世界でもトップクラスということです。このような施設がもっと知られたら良いと思います。
また、渋いところでいくと、ノーベル文学賞受賞者である川端康成伊豆の踊り子」のモデルとなった旅芸人の一座が、実際に芸を披露したという旧港屋旅館が大島波浮港にあり、現在は記念館として見学が可能です。
あと、晴れた日に大島から見る富士山は絶景です。
なお、海岸の砂が黒色です。黒い砂浜といえば他にハワイ島くらいしか思いつきません。さらに、三原山の火山噴火口を覗きこむように周る「お鉢巡り」は迫力があります。30数年前には、この「お鉢めぐり」をする観光客で大変賑わいピークだったそうです。
その後リピーターが少ないのが悩みの大島ですが、23年前1986年の噴火による溶岩の流出や、近年のハチジョウイタドリという植物の進入により三原山も変化しています。その姿は30数年前に大島へ来た方にとっても新たな発見があると思います。


◆八丈島◆

八丈富士

ひょうたん型の島の形は、NHKの番組で昔『ひょっこりひょうたん島』という人形劇がありましたが、まさにひょうたん島そのものです。
この八丈島では、熱帯植物の栽培が盛んですが、1月から3月まで「花と緑のフェスタ」が開催されます。
このフェスタの締めくくりとしてフリージアまつりが開催されます。フリージアまつりは、3月20日から4月5日まで。港や空港をはじめ島内でフリージアを楽しめます。無料摘み取り体験もできます。
八丈島には竹芝から夜行船で船旅を楽しみながら行く事もできますが、羽田から飛行機で1時間以内で行けます。実際、日帰り出張も可能なんですが、みなさまには、島で泊まって、島寿司やくさや、島焼酎を楽しんでいただきたいと思います。八丈島のくさやは他の伊豆諸島のそれと比べるとマイルドだと言われています。

疑問3「島はどこも同じ。くさや、アシタ葉でしょ?」
島の方が言っていて「あーそーかなー」と思ったのは、
式根島は、子ども連れで海水浴をするのに適している。新島は青年がサーフィンなど海のレジャーを楽しむことができる。神津島は海があり山もあり大人になってからも楽しむことができる」ということ。


式根島

神引展望台

リアス式の海岸の島なので、プライベートビーチのような小さな入り江で泳ぐことができます。子ども連れの家族に向いているような気がします。また、「式根松島」と言われる松の景色が野性味溢れる風景を作り出していて、平坦な島ですが山歩きも面白いです。
また、式根島の神引展望台からは、式根島リアス式海岸のその先に伊豆諸島が連なる大パノラマを眺望できます。
歩いて1周できるような小さな島に魅力が凝縮されており、のんびり滞在を楽しむには最適だと思います。


◆新島◆

羽伏浦海岸

新島といえばサーフィン・白い砂浜・コーガ石。
羽伏浦(はぶしうら)海岸という白いビーチは、サーフィンのメッカで日本大会はもとより世界大会も開催されます。
コーガ石とは新島独特の白い軽石で古くから建設資材などに用いられてきました。渋谷駅のモヤイ像は新島のコーガ石です。「モヤイ」とは新島の古い言葉で共同作業を意味し、決してイースター島のモアイ像の間違いではありません。
熱するとガラスの原料となるため最近では、コーガ石によるガラス工芸体験が行われています。世界的なガラスアートフェスティバルも開催されます。
世界大会というキーワードが2つ出たとおり、新島の知名度は海外に高く、島内のキャンプ場には外国人キャンパーが多いようです。
新島、こう見ると世界に開かれた島として先頭を走っているように思います。


神津島

多幸湾

ビーチバレー大会が開催される砂浜があり、高山植物が自生する山もある、多様な自然を持つ島です。
お台場海浜公園の砂浜は神津島から運ばれた砂だとか。山では、5月は「ツツジ」、7月は「サクユリ」、秋は一年のなかでも伊豆諸島が一段ときれいに一望できる。ということで、何回でも足を運びたくなる島です。
東京港竹芝にある伊豆諸島・小笠原諸島のアンテナショップでは、神津島の「赤イカの塩辛」、焼酎『盛若』が他の島の特産品を押えて売れ筋トップ3の常連だと聞いております。個人的にはところてんが一押しです。


◆利島◆

利島村HPより

実は、椿油の生産量が日本一。椿油は、頭髪や美肌のケアに有効です。
ただし、利島村のHPをみると生産量は年によってかなりバラつきがあります。
その他サクユリの生産、サクユリ焼酎、伊勢海老などが特産品。
すり鉢状の島の形は、例えば「三宅島の火口は利島を逆さにしてスッポリ入る大きさ」など、東京の島々ではモノサシのように例えられることがあります。


三宅島

ガクアジサイ

2000年の噴火で被害を被りましたが、現在では帰島も進み観光も可能です。噴火の被害を逆に観光資源として活用するということで、火山体験遊歩道が作られました。この遊歩道からは溶岩に埋もれてしまった中学校などが間近でみられ、なかなか好評のようです。
噴火の被害を逆手に取るという観点から敢えていうと、噴火後無人の期間が長く、海の生物にとっては良好な環境が続いたため、ダイビングや磯釣りの好スポットとして魅力がさらに高まったという声も聞きます。
また、復興のため、モーターサイクルフェスティバルの開催など新たな取組が始まっています。


御蔵島

御代が池コース

ドルフィンスイムが人気です。春から秋にかけてがシーズンですが、予約するのが難しいくらいだと聞いております。イルカに会える率は、ほぼ100%だということです。
御蔵島は、巨樹と水に恵まれた島です。日本一大きなシイの木”大ジイ”(幹周14m)は,屋久島の縄文杉(幹周16m)に匹敵する御蔵島の宝です。その他、ニオイエビネなど貴重な植物、沢の流れを音に聞く山の散策コースが充実しています。
また、御蔵島を国内最大の繁殖地とする“カツオドリ”の通称で呼ばれるオオミズナギドリなどの鳥類も住んでいます。オオミズナギドリは「木に登る海鳥」と言われ、遊歩道沿いに巣穴を発見することもあります。
また、ユニークな歴史文化も特徴の一つです。昨年7月20日の日記に長文書きましたが、この島かなり深いです。
御蔵島から世界へ


青ヶ島

海上保安庁HPより

人口が200人程度と日本一人口が少ない村が「青ヶ島村」です。
その地形は独特で、外輪山及び2個の中央火口丘からなる内輪山で構成されます。
特産品は、焼酎『青酎』のほか、黒毛和牛や火山の噴気孔から出た蒸気熱を利用した自然塩です。地熱を利用したサウナがあります。


小笠原諸島

ジニービーチ

小笠原はザトウクジラの観察シーズンを迎えております。
小笠原では、12月から4月にかけてザトウクジラの船上鑑賞が人気です。
実際、クジラが海の上にジャンプし身体をひねるようにして落ちる豪快な姿を見る事ができます。
あの大きなクジラに100mくらいまで近づくこともあり、大迫力です。
また、大陸と一度も陸続きになったことのない小笠原の島々には、固有の動植物が多く、それらを観察する山歩きも楽しめます。実際、山歩きをしながら視界が開けると透き通る青い海が遠くまで広がり、付近の島々の眺望が圧巻。このような体験が出来ます。
登山がお好きな方で、冬山をやらない人には、実は冬の小笠原がお勧めです。たっぷり歩くコースから、比較的やさしいコースまで選ぶことができます。
ちなみに、世界自然遺産候補地です。平成23年の登録を目指しています。美しい景観を作り出す地形や、固有動植物の存在が地質の研究や動植物の進化を辿るうえで貴重とされているのです。
歴史的には古くから海洋交通の拠点として海外から着目されており、特に捕鯨の要所として各国が注目しておりました。かのペリー提督も小笠原に立ち寄っています。なお、最初の定住者はハワイからの移民でした。では、なぜ現在日本領土なのか。なんてことを調べたくなったらもう小笠原フリークの仲間入りです。
また、沖縄と同様にアメリカの統治下に置かれた時期があり、沖縄の数年前に日本に返還され昨年は返還40周年でした。では質問です!返還された日に警察が真っ先にやったことはなんでしょうか?。。。それは島民から拳銃を取り上げることだったそうです。
このような歴史や自然を学ぶために修学旅行に来る学校も多く、最近ではシニア世代が山歩きや体験シュノーケリングを楽しんでいるということです。戦争当時に小笠原に徴兵されていた親から何度となく聞かされてきた場所に行ってみたいと考えるシニアもいらっしゃいます。このように記憶の遥かを辿る旅の企画・サポートに旅行会社又は現地の観光協会は取り組んでみたらいいと思います。提案です。


伊豆諸島・小笠原諸島の総合観光情報サイト 東京アイランドドットコム
日本離島センター