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根暗なマイハートのネジを巻け!

国際収支


国際収支をみると、所得収支の黒字が拡大している。
http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/balance_of_payments/preliminary/pg2011cy.htm
財務省HP)


所得収支とは、国境を越えた雇用者報酬(外国への出稼ぎによる報酬の受取等)および投資収益(海外投資による利子・配当金収入等)の支払い。


所得収支の黒字拡大は、日本が資産家であることに加え、輸出で稼いだお金を海外に投資する規模が大きく、逆に海外から日本国内への投資が少ないことも意味する。


また、通商白書によると、海外への投資の利益が日本に還元される割合がこれでも少ないのだという。
海外で得た利益の7割が日本に戻されていないというデータもあるらしい。


海外で得た利益が日本に戻らない理由には、投資先の国から日本への送金に対する規制があること、海外子会社の利益に対する日本の課税制度がネックとなっているようだ。


私の疑問としてあった、日本の輸出額が増えているのに税収が増えていない理由については、上記を踏まえると、輸出の利益が海外に投資され、その投資利益が日本に還元されてこなかったためだと分かった。


この問題には国も手を打っていて、ひとつに、投資に関する外国との経済連携協定や投資協定により、日本への送金が可能となる交渉を進めている。今後のTPP交渉などでも関税だけでなく投資分野の規制緩和についての議論が重要になりそうだ。なにしろ貿易収支が赤字化、所得収支の黒字拡大という現状からみると投資分野が今後の日本の飯のタネの中心になっていくのは確実。


また、税制の課題については、通商白書によれば、企業が海外の利益を国内に還元したくなるように、海外子会社からの送金を非課税とする特例措置が少しずつ功を奏しているらしい。


さらには、国内が投資したくなるような環境に変わることも重要である。


通商白書によれば、GDPに占める対内直接投資は、日本4%、米国16%、イギリス47%


さらに、海外企業の「アジアにおける拠点を置く国」の一位の座を2009年に中国に奪われ、研究開発の拠点を含めてあらゆる要素で中国より魅力のない国に日本が映っているようだ。


その理由は「ビジネスコストの高さ」「市場の閉鎖性」「サービス・製品要求水準の高さ」にあるとの調査結果がある。


ビジネスコストの高さについては、日本は長期デフレだと思っていたが諸外国に比べると物価が高く、人件費や、賃料なども高いということである。
人件費に見合う高学歴な人材が多いだろうとも思うが、外国語を話せないし、実は大学卒業は国際レベルでは低学歴で、博士やビジネス課程の卒業などその上の学位を持たないと不十分という意味では、中途半端な能力で人件費ばかり高いっていう、耳が痛い。


市場の閉鎖性というのは、逆にいえば、日本人の仕事が外圧から保護されているということで、でもそれが理由でお金が集まらなくて景気がよくならなくて日本人涙目っていう、どうしたらいいのか。


要求水準の高さは、商品テストなど日本で認められれば海外でも通用するという意味で、日本に拠点を置くメリットとする企業もあるはずだと思うのだが。