I me Mine

根暗なマイハートのネジを巻け!

つむぐ

デカルトの教え,『困難は分割せよ』


お笑いブームが好調子。
きっと、忙しい現実社会では『単発の娯楽』が必要なのだ。
パッとみてウケる〜と楽しめる娯楽。


携帯小説もそうだ。
細切れの時間に携帯電話を眺めて『ショートロングの感動』を味わう。


電車の7人掛けシートで、6人が携帯電話を手にしている光景も珍しくない。
でも7人は見たことがない。笑


現代人の「楽しい」がいかに分割されているか。
『娯楽も分割せよ』 てへ。



様々な場面で様々なものが分割・細分化されている。
いや、統一や継続のエネルギーが失われている。


契約社員や日雇派遣などの非正規雇用は『雇用の分割』
企業にとってメリットは多い、景気変動による雇用リスクを分割できる。
一方、労働者は不安定に。


その他にも、
学級崩壊、ひきこもりは『人間形成の個別化』
独身貴族、地域社会の衰退、核家族は『共同生活の喪失』


さらにさらに、
耐震偽装、食品偽装、年金記録の断片は『責任の分散』
専門家の分担による仕事、経営者と株主(出資者)の分離、企業と労働者と税金で折半という年金のスキームとお役所の事なかれ主義、これらが責任の分散を招いた。




これらを説明するにために2つの言葉を考えた。


家族・親しい友人・恋人・趣味を通じた人間関係、または特定の利益を追求する集団(企業等)を「小さいネットワーク」と呼び、それらが必要によって結ばれた社会を「大きいネットワーク」呼ぶ。


「小さいネットワーク」は自分本位なエゴ集団。
「大きいネットワーク」は建前上は全体の利益のために存在しているとしても、実際はそれぞれの「小さいネットワーク」が利益を追求し合うためのしくみ。


そうした中で、近年失われているのは「小さいネットワーク」の組織力。
コミュニケーション能力の不足からか家族や友人恋人を作れない人々の出現。
インターネットで結ばれた趣味の輪の脆弱さ。
不安定な雇用環境など。


一方、近年増えているのが「大きいネットワーク」における「小さいネットワーク」の露骨な利益追求や責任放棄。
具体的いえば昨年度のキーワード「偽装」を生んだ企業体質など。

: これらによって日本を牽引してきた統一や継続のエネルギーが失われた。


少し抽象的なので具体的に言い換えるとこうだ。
仲間と居ても孤独と感じる世の中。
人の娯楽も社会活動も分割されていくなかで、一人ひとりが一番大切にする人と時間はそれぞれ異なり、上っ面では仲間を演じていても心の中では壁をつくって干渉しない。
それはそれでいいし、自分もこんなところでブログを書いているくらいだから一人が結構好きな人間だ。


しかし、
それぞれが自分の持ち場を責任もって守る。
共同生活では和を尊ぶ。
これを踏ん張って守れなくなってしまった。
これはよくない。 :||←リピート記号




オーケストラの響きのように、それぞれの楽器が魅力を発揮しながらも全体が過不足無く調和し魅力を倍化するようなネットワークならどんな困難でも乗り越えられそうだ。




そのために必要なものはなんだろうか。
答えは、紅白歌合戦の大トリで五木ひろしが歌った『契り』にある。

契り/蝉時雨

契り/蝉時雨


「愛〜する〜人よ〜♪」
そうだ!社会がどれだけ分割されても「他人を思いやり『愛す』心」さえ忘れなければ、エゴ集団である「小さいネットワーク」と全体利益の「大きいネットワーク」の成立、つまり生き生きとした個により形成される豊かな社会が実現されるはずだ。