I me Mine

根暗なマイハートのネジを巻け!

すべらないための話

それは18歳の春のこと。

何から答えればいいのか分からないまま時は流れて

Oh!Yeah!/ラブ・ストーリーは突然に


中央大学法学部の受験、数学の時間。
小田和正の声が歌詞を変えて、やけに頭の中を駆け巡った。


次は、静岡大学法学部の受験、英語の時間。
時間になっても教室に誰もこない。
静岡大学のキャンパスは広くて、教室を間違えたのだった。


このようにして、私の受験は見事桜散った。

18までのぼくは何もかんがえずにだいたいうまくいった

めずらしい人生KAN1987?1992『めずらしい人生』KAN


KANの詩が心に沁みたが、18を過ぎたら自分の責任なんだと猛勉強。

1年後、私は中央大学法学部にリベンジを果たし、他にもいくつかの大学に合格することができた。


合格した当時はうれしかった。
失敗を成功に導いたと思い上がっていた。
しかし、振り返ってみると結果オーライと単純には思えない。
なぜなら、受験勉強で疲れ果ててしまい、その後は転がるように歳を重ねて今がある。
もし、静岡大学で受験会場を間違えなかったならば。
現役合格して、浪人して使ったエネルギーを司法試験に注入することができたなら。


人生にはいくつかの岐路がある。
私の岐路の一つは、静岡大学の受験会場を間違えたあの瞬間だと思っている。
偉そうなことを書くが、実は静岡大学は第一志望ではなかった。
そういう浮ついた気持ちが会場を間違わせた。
でも、そのことが失敗だったのか正解だったのかなんてことは、年がたってみると分からなくなっている。


つまり、自分の思うとおりに行かなかったからといって必ずしも失敗ではないし、思うとおりに行ったからといって成功ではない。
それは、自分の頭の中の出来事にすぎない。
客観的にみれば、ひとつ一つの結果は通過点であり、むしろ当人が将来のどんなことにエネルギーを費やすべきなのか間違わないことのほうが重要である。

恋の行方 見えなくなりそうな時 
胸の奥で 流れていく LOVE SONG

遠い街のどこかで・・・』中山美穂


合格した年に、試験の前にいつも頭に巡っていたのはこの歌。
めざましテレビ』の「今日のわんこ」のBGMとして、今も毎朝聞いている。


恋の行方も人生の行方も日本の行方も見えなくなりそうなこの時代。
「今日のわんこ」を見て、家を出る。
こういった生活を繰り返していく。
18を過ぎてからの人生は相変わらず不器用で、うまくいかないと悩むことも多いけれど、ひとつ一つの結果を通過点と考えて立ち止まらずに生きる。
そういう来年が過ごせればそれは幸せなことだ。