「この人のためにつくす」という覚悟、これは人間性の問題だから、その相手が信頼できるかどうか。相手が信頼できれば大丈夫。
だから、相手に自分を好きになってもらおうなんて無理に求めない。こっちが「この人のためにつくす」「この人と人生を歩いていく」、そう思える大好きな人に出会えた。
その人が自分と生きていこうと決めてくれた。最高に嬉しい。
この人のために一生つくすのだ、とちゃんと覚悟がきまったら、どんなに苦しくとも、真黒になって働いて、そうして十分に生き甲斐があるのだから、希望があるのだから、私だって立派にやれる。あたりまえのことだ。
(『女生徒』太宰治)