I me Mine

根暗なマイハートのネジを巻け!

巨星落つ

今月4日、川島忠一都議(島部選出)が逝去された。
ここで川島氏に敬意を表し、ご講演の内容を発表させていただきたい。


これは、川島都議が首都大学東京の講演会で挨拶をされたのを、たまたま私が聴いていて、たまたまテープに録っていたものである。島部の発展にかける熱い想いを、詳しいデータやスパイスの利いたお話で聴衆に語りかけていたのが印象に残っている。

公開フォーラム「東京に学ぶ魅力-島と海と山-自然と歴史と文化と」教育開発プロジェクト成果報告会


日時:平成20年6月27日(金)首都大学東京南大沢キャンパス


前東京都議会議長 川島忠一都議あいさつ要旨


今日は、都の役人が書いてきた文章を読むつもりだったが、若い学生さんもいるので、自分の生の言葉で話したい。
首都大学東京の先生と生徒の知恵をお借りして伊豆諸島の振興を図りたいというのが結論だ。


伊豆諸島(小笠原含む)の人口は、戦後4万人あったが、現在3万人程度。
噴火で全島避難した三宅島は、3800人あった人口が、現在2600人ほど住所が置いてあるが、実際は2000人程度。東京の生活を子どもが知って、帰りたくないと言われると親も帰島に踏み切れないようだ。
伊豆諸島(小笠原含む)の経済は、農業、漁業、観光、公共事業、そして公務員の給料の5つの柱で成り立っている。1360人いる公務員の給料(警察官、教員など都関係)が100億、一番島の基幹産業である農業が36億、漁業が30億。観光は最盛期には150万人の観光客が来たが、現在は50万人で、ひとりが3万人お金を使ったとして150億。公共事業が400億。かつては、農業、漁業、特に観光が飛びぬけていたが、観光が極端に低迷してその代わりに台頭してきたのが実は公共事業。このバランスが良いか悪いかは私にだって分からないが、毎日毎日を精一杯にやるだけ。農業、漁業をこれからもっともっと強くしていかないといけない。
しかし、漁業の低迷は一番の問題。漁業組合は、どの島も明日に潰れてもおかしくない状態。
こういった問題をいかに立て直していったらいいのか考えて、なかなか解決策がないのが現状である。


生生しい話だが、伊豆諸島はかつて島対島の対抗意識が強かった。大島と八丈島がライバルだった。特に都議会選挙では、政党の枠を超えて大島と八丈島とで争い、他の島は強いほうに付くという状況だった。でも、伊豆諸島の選挙では買収がいっさいない。
このような島同士の対立も少なくなり、最近は島同士の交流が活発になってきた。
昔は島の中の部落同士の対立も多かったが、最近はなくなってきた。「昔は嫁のやりとりを死んでもやらなかった」。それもなくなり人間関係が良くなった。


伊豆諸島は、「都が湯水のごとく他の地域に比べ税金をあげても」産業が自立しない。
伊豆諸島は交通体系が非常に重要な問題。高速船ができたが就航率が悪い。大島まではまだ良いが、その先の島は接岸率の問題で安定感がまったくない。
伊豆諸島は課題が山積している。首都大学東京の先生と生徒の知恵をお借りして伊豆諸島の振興を図りたい。