I me Mine

根暗なマイハートのネジを巻け!

戻るか戻らないか…福島


歯科医に治療を受けながら世間話が盛り上がった。


上を向いてしゃべるので、つばが天に飛ぶ。


そして、その内容も。。。


歯科医が、福島原発の半径50Km以内は居住不可能地域として、もっぱら除染廃棄物や核燃料の中間貯蔵の置き場にしてはどうかと言った。


私は、そこに一人でも住みたいという住民がいる限り排除は国民的感情からいって難しいですよと答えながらも、一人あたり1億円の立退料を30万人の避難者に支払ったとして30兆円だと考えていた。


歯科医が言うには、サラリーマンも会社から転勤を命ぜられて急な転勤をする。子どもの放射線影響を恐れて福島に戻らないと決めている人もいる。補償もなく別天地に移れないのが本音なのではないかと。


私は、かつて石原慎太郎氏も東京に新たなコミュニティを作ったら良いということを言っていたのを思い出す。問題は仕事だ。漁業や農業など従事者が新しい環境になじめるか。地縁も重要な資産と考えられるようになった現在、彼らをバラバラにしてしまうのは自助・共助を損ない逆に国の支援が必要な弱者を増やす結果になりやしないか。


歯科医は、現実として少なくとも百年は戻れないのだからと続ける。


私はそれは天につばを吐く言葉ですよと言う。外国からみたら我々も原発事故後にまだのこのこと日本での生活を選んでいる。自分達が急に引っ越せと命じられたら混乱するでしょうと。


歯科医は、私は引越を20回してきたから住み処に思い入れなんて無いから平気なんだとさ。


日本が背負った重すぎる罰だのだろうか。一人に一億円の一時金を支払ったとしても、年収1千万円の人にとっては10年分にすぎず十分な額ともいいきれない。
また、福島第一原発周辺に住民が戻りたい願いがあるからこそ、福島県の復興に公共事業としてお金が落ちる以上、全員立ち退きという政策を取ってそれが要らなくなったら福島県の土木業界が黙っていないだろう。


いや、福島県に廃棄物の中間処分・中間処理施設を建設するという大きな公共事業がある。
問題は、半径50kmの人々を全員立ち退いてもらったとき、これら福島の核廃棄施設で働く人がいるのかどうかってことだ。


そこに住みたい人がいることと、国の意向がマッチングしている事例に「離島振興」がある。
離島は、国の領海を決める要所で、そこに人が住んでいて船の行き来があることで、防衛上の安全も確保できる。三宅島伊豆大島などは繰り返す噴火があっても人はまた戻り生活を始める。
そして、それが国益にもかなうのだ。


このようなことから、福島の原発周辺50kmの住民をすべて他に移転してしまうと、核の廃棄処分を担う労働者がいないだろうし、核関連業者をバックアップする体勢もとれないだろう、誰もいなくなってしまっては。


だから、離島に人が住む為に離島振興法を特別に国が設けているように、核の廃棄や福島原発廃炉作業のためにも、住民が帰郷できることが重要に思う。真面目か…あ…はい。