I me Mine

根暗なマイハートのネジを巻け!

閉塞感を開く鍵を探して

「いでや、この世に生れては、願はしかるべき事こそ多かんめれ」
 吉田兼好 徒然草(1330年)

「都会では自殺する若者が増えている」
 井上陽水 傘がない(1972年)


牛丼の松屋で中高校生くらいの子が初々しく働いていたので、ああ夏休みかと思ったり、自分が学生の頃はバイト禁止だったけど今は就労体験が授業に組込まれる時代だから学校と連携したプログラムかと思ったり、でも学校が就労に参入したら年長フリーターはますます仕事にあぶれると思ったり。
ー徒然1


AKB48チームB宮崎美穂(総選挙38位)は、昨日のNHKラジオで休日は仕事が無いという意味なので切ないと言っていて、こんな職業観を持つ十代は相当なもんだなと思ったり、自分も仕事の有り難みを考えたり、さっきの松屋のバイト君たちが仕事続いてるか確かめに行ってみようと思ったり。
ー徒然2


警察庁の統計によると2011年の十代の自殺理由が、入試の悩み23人、進路の悩み54人、学業不振50人、就職失敗9人。二十代の入試の悩み11人、進路の悩み95人、学業不振88人、就職失敗141人。合計すると三十代の失業による自殺139人よりもずっと多い。失業しても失業手当とか生活保護があるのに、学生がまだ働いていないのに死んじゃう。閉塞感。閉塞感。閉塞感。http://t.co/K2Q4onC1
ー徒然3


日本の教育を考えたときに思い浮かぶ将来の日本に必要な人材像としたら、最先端技術者やITエンジニア、商社マン、銀行家や証券マンなど日本が海外に打って出る人材のように考えるけど、通商白書によると日本の国内総生産GDP)に占める輸出の割合は15%である。少ないのである。
ー徒然4


日本の経済の85%が内需で成り立っているということは、将来の日本経済を担う人材とは工場で家電や日用雑貨を作っている工員とか、農林水産業それらを国内に売り歩くセールスマンとかスーパーの店員とか、役所の発注で工事を請負う工務店や小学校に教科書を納入する商店街の小さな本屋とか。
ー徒然5


85%が内需の日本経済のパイを増やす人材とは情報通信の変化に機敏に対応するメディア・サービス業とか、医療・介護とか、省資源省エネのベンチャー、再生エネルギー等事業者、日本のおもてなし、繊細で多様な文化を生かすコンテンツ産業、観光、工業デザインとか、美味しく安心な高付加価値の食、スポーツ産業。
ー徒然5補


85%が内需の日本経済を活かす人材育成分野は人・物・金の「ネットワーク」ー安全で多様な交通運輸網、企業と求職者のマッチング、中小企業の技術とウォンツの仲介、物品・会計・給与事務、社員教育アウトソーシングなど対事業所サービス、子育て介護など家庭内労働や地域活動の共助・公助。
ー徒然5追補


85%が内需の日本経済の吉凶を占うキーワードは「シェア」ー自動車、自転車、家、ファッション、エネルギー、涼、オフィス、スタジオ、機械工具、食品、農地、仕事、金融。個々が城を築き財を囲って見せるこれまでの成功モデルでは足りなくて、興味関心・個々のアイテム単位で人・空間・時間・物質を「共有」する身軽さが訴求力の高い価値観となりつつある。
例えば旅行が文化として成熟しているとされる欧米では、富裕層が敢えて宿や交通手段をシェアする身軽さに通じる。
このことが、少子高齢化核家族化や個人主義的に分断されていく日本を再び結びつける蝶番となりシェア文化を司る新たな「公」が付加価値を生むのか、それともシェア=レンタルや使い回しによる経済の収縮になるのか、よく分からない。
しかし、シェアには2種類あり、一つはカーシェアリングやシェアハウスのように誰のものでも無いものを共有する形態、もう一つはソーシャルネットワークで写真や知恵を共有するような、一人ひとりが持っている物を差し出し合うこと。
成熟した経済のパイを拡大させるためには後者の方にインパクトがあると感じる。例えば、震災直後に起きた買い占めのような行動原理はシェアしてもらうのは恥だと考えるからであり、でも本当はシェアして皆に行き渡ったほうが偏在が無く最適解が得られて全体が幸せになるのだし、立派な戸建ての壁の向こうで孤独死なんて話は嫌だ。
でも、現状は親は生活保護、子どもはお金持ちというような人間の深い部分にある業のようなものに関わるため多少の意識改革が必要ではあるが、シェアがなされれば少なくとも社会保障のコストは下がり、富の共有による豊かさを誰もが感じられる世の中になる可能性がある。
でも、それは理想でシェアが定着すると働かなくなる奴がたくさん出てきて社会の活力が失われる。なんて結局何にも言ってないなあこれじゃ。シェアに関しては、小林 弘人というキーパーソンがいるようだ。ちょっと気になる。
ー徒然5余談


年間130人の十代学生が学業の悩みで自殺するというのは、なんか期待を背負わせ過ぎに思え、また当事者も視野が狭かったり、例えば国立大学は3年からの編入や大学院は比較的入り易いとか、色々方法はあるのに、一度階段を踏み外したらやり直しが難しい現実を大人の背中から見てるのだろう。
ー徒然6


中高生が職場を体験し、働く大人を見て就業の肌感覚を持つことは進路を決める上で貴重な体験になるはず。学生のバイトや就労体験を奨励したらよいのでわないかと。企業が学生を受入れる余裕はなく難しいかもしれないが、まずは従業員の家族が職場を訪問する、8/3は東京しごとの日らしい。
ー徒然終。