I me Mine

根暗なマイハートのネジを巻け!

失われたマネー


日本銀行の黒田総裁が市場に資金を大量に供給して「別次元」などと言われているが、実は先例がある。


しかしそれが中途半端に終わったため、2008年冒頭の株価下落に繋がったと私はみる。
2008年冒頭、下落前の日経平均は約1万5千円だった。


だから、昨日株価が1万5千円台から急落したのはこう説明できる。
2008年の含み損を解消する利益確定売りが起きたのだと。


さて、冒頭の金融緩和の先例に話を戻そう。


小泉内閣の時代だ。


日本銀行は、2001年から2006年の5年間に、供給量を66兆円から112兆円(+46兆円)増やした。
しかし、麻生内閣のときに金融緩和を止めて、それと機を一にするように株価が暴落したのが2008年冒頭で、その年末にリーマンショックが追い打ちをかけた。


それはともかく、マネタリーベースが約2倍になっても、GDPが約500兆円で変わってない。
なぜか、供給資金はどこに消えたのか。


それはこう説明できる。
2001年以降現在までに、輸入額30兆円、海外直接投資12兆円、都合42兆円増えた。
これらは国内から海外に出て行くお金を意味する。
つまり、供給資金は国内を潤さず海外にだだ漏れした。これで帳尻が合っている。


日銀資料によると、投資収益率は海外7%、国内3%。また、安価な輸入品によりこの十年で年間の輸入額は約2倍に。
要するにマネーが国内より国外に向かう流れ。この現実に目配りした成長戦略を組まないと国の支出は砂漠に巻いた水となる。また、国はお金だけでなく環境整備に注力すべき。具体的には…4月につぶやいた私のツイッターアカウントから引用する。


@anpan008


⑴4Kテレビ、次世代自動車、再生エネルギー、再生医療など技術革新による買替・更新需要を刺激する規制緩和補助金


⑵環境規制、食の安全基準、耐震基準の強化、ビジネスツールの多言語化、情報化推進(電子行政、電子商取引、オープンデータ…)など業界が新たな設備投資を必要とする規制的手法による投資促進策。


⑶企業の資金調達を銀行融資から投資家からの出資に。国民の資産運用を預金から株・債券など投資に。


公共事業では資材の輸送距離を短縮させる。国内木材、地元産品など輸送距離が短ければ排出ガスも少ない。


⑸空き校舎や空き公共施設の医療、介護、保育、インキュベータ施設への積極転用。国庫補助金の「施設転用禁止条項」の見直し。


⑹役所も病院も銀行も年中無休とし許認可等のスピード化。空港や港湾など運輸物流も24時間態勢とし時間を利用し尽くす。


⑺企業対個人の雇用契約から仕事をシェアする請負契約への法制検討。例えば、海外ニュースで、仕事を社外の第三者に丸投げし自分は遊んでいたサラリーマンがいたが、このように仕事を知人や友人と自由にシェアし、テレワークなど緩く分業し、自分はバカンスや育児や介護に専念できる就業環境にシフトする。今は職のある人は忙しく、他方で失業者があり労働力投入が最適でない。


特に、⑴、⑵、⑷、⑹など規制的手法によりポジティブなアクションを企業がとらざるを得なくするような「逆規制緩和」がカギになると考えている。