母が倒れた。もし、11月上旬の連休にでも帰省していたら血の巡りが変わって、倒れずにすんだのではないかなどと、「たら、れば」の後悔をしている。
遠くに住む息子がそう思うのだから、同居していた父はいかばかりかの無念があろうかと察する。
聞くところでは、祖父は、冬、酒を飲んだ後で、路上で倒れ、脳梗塞で亡くなった。
路上で倒れたとき、警察が対応したのだが、泥酔状態と勘違いされ交番に留め置かれ処置が遅れたことが致命的だった。
このようなことから、今回、母が倒れたとき、父はすみやかに救急車を呼べたのだと思う。
また、警察官など国民の生命を守る任にあたる人々には、国民の三代疾病の一つである脳出血、くも膜下出血の急病の症状について、一層の理解を深めてもらいたいと思った。
言うまでもなく、そのような教育訓練はなされていると信ずる。
心臓救命装置については、AED(自動体外式除細動器)が公共機関、集客施設、マンションなどに設置され、使用方法の研修も開かれ一般人にも理解が広がっている。
脳出血、くも膜下出血、脳梗塞などについても、一般人が適切に対処できるよう、職場や学校単位でも研修が開かれるとよいと思った。
これから寒くなる。暖かい室内から外に出て急な温度変化で脳内血管が破裂するなんて事件が増えるかもしれない。そんなとき、泥酔なのか脳疾患なのか区別して、それぞれ適切な対処がとられるようになるとよい。
ところで、母の現在の様子は、肺炎の併発による熱は下がりつつ在り、痰も少なくなってきている。
心配だった左半身の運動障害も、左手足が動くようになってきた。
また、神経が戻ったからか、腕に刺さる点滴の針や、胸に張られた心電図の端子などが気持ち悪いらしく外そうとしだした。今朝、お見舞いにいったら両手が縛られていた。
よく動けるようになったのは嬉しいが、縛られるのは複雑だ。
血圧、心拍数、血液中の有酸素濃度、呼気などが測定されている。
そういえば、妹夫婦が見舞いにきた。
妹も母親の顔をみて安心したようだ。
正しくは、状況を正しく把握できたことで、混乱が治まったというのが正しく、病状が深刻なことには変わりがないのだが。