I me Mine

根暗なマイハートのネジを巻け!

二次コンプレックス


1.先日の安倍総理の演説(全文)が産経新聞に載っていて私はこう思った。大事な部分はきのうNHKでみたから読む必要はない。ページをめくると編集者コラムにこう書いてあった。一次情報(全文)をなるべく紙面に載せていくので、読者にはなるべく一次情報に接してほしい。
うわ〜言われたと思った。


2.NHKニュースの総理演説は、2次情報だ。スタッフの頭の中を通って取捨選択され編集された情報だ。それを鵜呑みにして満足している態度はどうよ。記者を通した間接報道、報道=世論となる報道から、WEBで直接生の情報に接して皆が考える時代になったんだお。


3.2次情報というと、教科書や、インターネット上の写真やブログの感想なども2次情報だろう。人材派遣会社の社長が「ゆとり世代は説明を聞いて本質を捉える力はあるが実行力がない」と言っていた。現実は雑多な情報にあふれ、教科書みたいに整理されてないし、誰も説明してくれない。


4.二次元コンプレッックスという言葉があり、これは漫画やアニメなど二次元キャラクターに関する言葉だが、日本人の多くは「二次情報」コンプレックスだ。見たこと聞いたこと(一次情報)より、新聞やテレビに説得力を感じる。
例:大企業の監査役をした知人「大事な情報はNHKを見ていれば分かる
例:マスゴミと罵りながらも自分で調べたりしない人


5.仕事で現状を説明するときは、新聞のアウトラインに沿っていれ話が通りやすい。皆が読んでいるからそれが「本当」になるのだ。出来る人間は日経新聞を読む、というのはこういう意味だろう。実際、私の職場の幹部も「新聞を読め」と言う。
しかし、原子力発電のこと、学校のいじめ問題、ツアーバスの事故など未然にしっかり報道できていただろうか。今だって、日本銀行が10年前にマネーサプライを2倍にする量的緩和をしていたこと、国民に伝わっているだろうか、政府に検証を求めているだろうか?


7.発見者とは、見つけたり言い出した人ではなく、本当に重要だと分かって皆を納得させた人だと、ナシ=ム・ニコラス・タレブは書く。ダーウィンも様々な人の研究結果を編集して進化論を書いたそうだ。複雑多様で不確実な現在、目利き力が問われる。「目の前を見よ」落語の蒟蒻問答である。