牛丼屋で「ごちそうさま」と言うか言わないか問題が、ネット上で論じられていた。「牛丼屋なんかで格好付けるな」とか、店員を名乗る者から「うざいからやめろ」など書き込まれていた。私は言ってます。
しかし、これを「ごちそうさまを店員に聞こえるように言うか?」と問題設定するとたしかにうざい。
店で「ごちそうさま」と言うかどうかは、例えばベネディクト『菊と刀』の日本人論を借りて説明を付けるとこうなる。「恩」はお金の貸し借りと同じで、多く返すのはお互い気持ち悪い。
牛丼屋で「ごちそうさま」を言わない人は、言うと多分に恩を返すと思ってる。数百円+一言>牛丼店員の労働であるとでも?
ファーストフードなど、店員との言葉のやりとりが必要最小限なのがスマートであるという流儀の方は、店員は自動販売機であり、機械に「ごちそうさま」と言わないのと同じ理由で、牛丼屋で「ごちそうさま」を言わない。
いずれにせよ、店員にとって、その客が帰ったかどうか分かる実利があると思うけど。