I me Mine

根暗なマイハートのネジを巻け!

官能小説風

自分に嫉妬するのです。


わたしは、スロースターターで、てっぺんに至る寸前で、その輪郭が確かなものとなり、濃やさが増すのです。


しかし、自身が確かになるに呼応し、対峙するその眉間の血潮が充ち、熱くなりゆくとき、わたしは自分に対する嫉妬にかられます。


なぜなら、満つる自分が、然らざる自分よりも歓喜を確実にしていく、すなわち、然らざる自分は、確かなる自分に浮気を許し、寝取られているとの劣情、倒錯を知るのです。


わたしは、このことを思い切って告げることにしました。
答えはあっけないものでした。


素晴らしい情動に包まれるのは、摩擦の大なるからではない。自分を包む存在が高まっていく、それを輪郭の高まりに感じ、いや呼吸に感じ、汗に感じ、脈動に感じ、そのことが嬉しい。すなわち歓びなのだと。




満つるれば


充つるに重ね


裂ける歓喜の増す姿態


貴方に二言ありや




満つるれば


充つるに重ね


我また我を妬む


愛は此処にあれども