I me Mine

根暗なマイハートのネジを巻け!

東アジア大戦略


1.ゲーム『信長の野望』をやった人には肌感覚で分かる戦況。米国のシェールガス開発により、ロシア(主な収入の半分が石油ガス)の国威が相対的に下がり、中国は背後のロシアがもう怖くない。中国は今後、日本やベトナム方面に強く出られる。中国は、米国に対する主要債権国であり、米国も怖くない。


2.財政難の米国は、国内エネルギーがシェールガスで足りることで、原発や中東戦略が変わる可能性あり。でも、日本にガスを売ると約束された訳ではない(日米同盟はその辺が甘くない?)。ならば日露同盟を模索してはどうか。ロシアからガスを安定供給してもらえるだろうし、少しは中国を牽制できる。ただし、ロシアは中東で米国とせめぎ合いをしており、大同に就けるかどうか。


3.尖閣問題は、囲碁的な戦略を持つ中国が日露同盟を阻止する布石とすら思える。中国が尖閣諸島で強行な態度を見せれば、ロシア指導者も北方領土で日本に譲歩することが内政・外交的に難しくなり、日露同盟は限定的なものとなる。低迷や財政難でアジアの米軍が少なくなる将来の大局観を持ちたい。


4.ベトナム戦争のとき、米国はベトナムを中国・ソ連共産主義)の先兵と見なし、これに抵抗した。中国は、米国がアジアを支配しようとしていると考え、対米戦略として北ベトナムを支援した。中国と米国の双方とも誤っていた。北ベトナムは、ただ自国の都合で戦っていた。ーキッシンジャー『中国』


5.企業のアジア拠点を中国から分散させる動きがあるが、ベトナムは中国に近く戦争の歴史があり、カンボジアは中国が対ベトナム戦略として融和措置をとっている。そもそも東南アジアで力を持つという華僑をどう評価すべきか。JKT48インドネシアなら人口も多いし有望なのか。


6.ASEAN最大の国土と人口のインドネシアは海に隔てられた不利がある。タイは政情不安や洪水もあるが、急成長するミャンマーカンボジアラオスに陸路で簡単にアクセス出来る強みがある。中国はインド洋に抜けるミャンマーを支援、南沙諸島等でベトナム・フィリピン・台湾と領土問題。米国も黙ってない。


(参考)アジア・大洋州三井物産業務部戦略企画室
http://mitsui.mgssi.com/issues/report/r1109sp_shintani.pdf
http://mitsui.mgssi.com/issues/report/r1110sp_shintani.pdf