I me Mine

根暗なマイハートのネジを巻け!

ブラック企業のマクロ的考察


1.求人数が増えたとか求人倍率が増えたとか景気が良い知らせのように報じられるけど、ブラック企業など離職率の高い企業が求人を繰り返しているだけかもしれん。求人の量も必要がだが「質」が大事だ。しかし、ハローワークは質を実態調査するには人手不足らしい。



2.例えばいじめ問題で、子ども社会のストレスが原因にあるように、ブラック企業のストレス源は、コスト削減の人減らし、取引先の過大な要求、消費者の過大な要求、株主や金融機関の要求など、ブラック企業の経営者が対処できない外部要因も含まれるから、共産党みたいに雇用主たる企業を責めても解決しない。


そこで、このモヤモヤした思いを以下のとおり吐き出してみた。



3.ブラック企業の構図を川下からたどると、


消費者(国民)


親企業・納入先企業・金融機関

ブラック企業(雇用主)


労働者(国民)


川上には消費者たる国民がいて、安い品を求めたり、過大なサービスを求める消費行動が、ひいては労働者たる国民のクビを締めていることに自覚的でありたい。(マクロ的な切り口)



4.サイバー攻撃から情報を守るために、ハッカーを雇うように、ブラック企業を辞めた人をハローワーク労働基準監督署が雇って、企業の職場(労働環境)を調査・指導したら、雇用も増えるし、労働環境の改善にもなるし、最高じゃないですか。(労働環境改善の切り口)



5.問題は、他に仕事が見つからないこと。労働環境がブラックだけど辞められない、もしくは辞められないうちに体を壊してしまう。様々な業種で沢山の求人が出れば、劣悪な企業に就職する人がいなくなるので、必然的にブラック企業は淘汰される。(求人数の切り口)



6.製造業や建設業から、情報通信や福祉介護に求人がシフト。今日、NHKで「16歳ですが夢がない」とメッセージ。産業構造の変化や、様々な価値観に見合った職業教育・訓練・求人紹介によって、本人の意欲、適性、能力に見合った就職ができるようにする。(労働者と企業のマッチング、職業訓練の切り口)

●経営者の失敗
ワタミ氏「(過労自殺社員を)なぜ採用したのか、なぜ不適性を見極められなかったのか、なぜ寄り添えなかったか」命がけで反省している。

7.労働分配率のこと。一概に高ければ労働者の満足度が高いわけではなく、業種や経営の効率性などによって違うが、例えばトヨタと日産を比べると、日産の方がずっと高いらしい。これを労働者の待遇の比較と見るか、経営の効率性の問題と見るか、様々可能である。
また、労働者が株主など富裕層に搾取されているとする階級闘争のロジックが本当なら、株主や金融機関の立場からは、労働分配率が低い方が良い。人材を活用して企業の付加価値を高めて欲しいと望むなら労働分配率を高めろと要請するだろう。
このように労働分配率は、同じ業種で比べてみると、経営理念を探る糸口になるかもしれない。(経営理念の切り口)



8.親企業などによる、下請企業や納入業者に対する要求、コストカットや労務提供など無理な要求が、職場にストレスを与え、ブラック企業化を招く。金融機関の求める経営合理化策などの圧力もあるだろう。
非難すべきは自社の経営者ではなく、親会社や取引先企業、金融機関となる。個人ではどうしようもないが、公取委、下請法、内部通報などを武器に戦うことになろう。(外部要因の切り口)

●メモ
金融機関に対しては、金融円滑化法の適用も終了したので・・・思いついた策としては、中小企業新事業活動促進法の仕組みを活用して低利融資制度・信用保証の特例・各種税制措置等の打開策を見出すこと。その他にも、国や都道府県などに補助金など支援策がある。
例:中小企業庁 http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/

9.就職人気企業が、最近は大企業から中小企業に広がっている。さらに脚光を当てたいのは「対事業所サービス業」。例えば、部品材料、原材料(自動車のガラスやゴムホースなど)メーカーで、直接消費者が関わる事の少ない企業。他に卸売業,倉庫業,貨物運送業,修理、事業系リース、広告業など。(転職先の切り口)



10.例えば、学生が牛丼店でバイトして、立ちっぱなしでブラックだとつぶやいたら、仕事なんてどれも大変だから頑張れと私は思う。
仕事でうつ病になったことを隠している人も多い。弱い人間と思われたくない。
零戦は8時間も飛べた。凄い。じゃなくて8時間もパイロットを酷使する発想が日本以外にはなかった。
過労死基準を上回る長時間残業の労使協定(月200時間)がある大企業・・・
ブラック企業はそういう勤勉な日本人に付け込んでいる。(職業観の切り口)



11.ブラック企業は、悪いのは雇用主だが、日本の硬直的な労働市場や不景気、企業と労働者のミスマッチ、ステークホルダー、消費者の外圧、「石の上にも3年」のよう職業観も関わると考える。
私は、仕事を辞めるとしたら家族や知人の目を第一に、生活を第二に気にしてしまう。
会社と簡単には関係を絶てない葛藤がある。多くの人が大なり小なりストレスを抱えながら働いている日本で、ブラック企業が投げかけた問題に無関心ではいられない。(まとめ)