I me Mine

根暗なマイハートのネジを巻け!

坂本龍一Podcast


1.坂本龍一氏と、鈴木邦男氏との対談が本になるのだと。鈴木氏誰れ?と言いますと、坂本龍一氏が「右翼の鈴木さん」と呼ぶ、それ以上のことは知りません。J-WAVEポッドキャストを聴いたら、「保守」と「右翼」は違うのだそうだ。「右翼」は国土を愛する。だから彼は、反原発なのだそうだ。
愛国者の憂鬱


2.鈴木氏は「愛国心」という言葉が嫌い。(たしかに、三島由紀夫も「愛国心」は嫌いで「大和魂」だと書いてた)。「愛ゆえに人は人殺しもする」と述べ、愛と正義に距離を置く。
右翼団体の体質についても、「二十代で染まった思想、若い時分に受けた影響を生涯貫き、思想替えを許さない体質」と、疑問を呈した。


3.右翼は保守だし、核の兵器転用、エネルギー自立などの理由から原発推進派とされてきた。
だが、「原発が国土を崩壊させると知ってからは、竹島尖閣諸島を譲らないのと同様に、核汚染による国土損失は許せない。しかし、反原発に転じると左翼と一緒になっちゃうので悩む右翼団体もある」と鈴木氏。


4.坂本龍一氏が言うには「小選挙区制は巧妙」だと。衆院選挙の投票数を吟味するとこうだ。

国民10人のうち

  • 与党1.5人分の得票
  • 野党全部2.5人分←与党より得票数は多い
  • 投票に行かない人5人程度


10人のうち1.5人しか支持しなかったのに、与党(自民・公明)が議席の3分の2を占める。


5.国は、国土を囲って、囲いの中の人間は愛す(愛国心)。囲いの外の人間は劣後する。
「このような制度は、人類の最初の頃には無かったのではないか」と坂本龍一氏。
日本の、ではなく世界の、で物を考える坂本氏らしい発想だと思った。


6.しかし、私はこう思う。人類の創世記から囲い込みはあったと。人間は自己愛の塊なのだから。

  • 食糧生産に適した作物がその地域にある、又は伝来する
  • 家畜に適した動物(早育、従順)がその地域に居る、又は伝来する
  • 他地域との間の競争、物や情報の流通がある


良き土地を囲い→食糧増加→→人口密度増→首長社会→軍事的外圧、紛争解決、共同作業(堤防づくり等)の必要性増→国家→律令(紛争解決、税及び分配)や文字の発明、又は伝来→分業(官僚、軍人)→他地域との間の競争


このような形で、1人より共同で生産し、戦うする集団、意思疎通を高め統率を深めることに有用な文字と律令を整え、競争に勝ち残った人類の末裔なのだから、我々は。
『銃・病原菌・鉄』http://d.hatena.ne.jp/horikita800/20100418


7.現代では、国→県→市→母校→仲間→家族→部屋→私という風に、囲う範囲は異なっても、人間は「自己」という単位を中心に、様々な囲いを愛する。例えば、オリンピックは日本チームを応援、高校野球は地元県を応援、箱根駅伝は母校を応援、仲間を守る義侠心、部屋に鍵をかけるなど。


8.さらに、自己に帰属するモノ、金、才気、子孫、特権、賞賛などを欲求し、他者のそれに嫉妬する。
フランス革命以降、私有財産制が認められ、日本の法律でも個人の生命、財産は最大限尊重されている。住居不法侵入は罪であり、侵入者を殺しても正当防衛の余地がある。
そういう世界に我々は生きている。


9.上記の鈴木氏の発言「愛ゆえに人殺しも起きる」は、自己愛だからそうなるのであって、自己愛を他者愛に昇華できればいいのだと私は考える。
今、自己愛を認め他者愛に出来るか、そこが問われている。