１．日本の将来を考えた時、一番の頭脳を一番の仕事に使ってもらいたい。
近年、東大生の就職先に、ネットゲーム業界が増えているらしい。かつて東大生は、外資系コンサルに流れていた。その時代の流行を追いかけ、その産業の衰退とともに、転職の難しいこの社会では、頭脳が死蔵される。一方で、財閥系銀行、官僚など手堅く行っても組織に埋没して、頭脳が死蔵される。
２．外資系コンサル出身の起業家も多い。でも、ゲームの会社とかネットの会社など。ユニクロや楽天も革新性があるけど、服屋と通販会社。一番の頭脳が、ゲーム、服屋、通販会社、野球スポンサーでいいのかと思う。米国のAppleのジョブズも小ちゃいパソコン作った人でしょ。では、何ならいいのか？
３．医療や福祉分野に一番の頭脳をそそいだとして、その結果が、高齢化による社会保障費の肥大化。長生きしたいけど。少子化の問題は、人数が減る事より、年齢バランスが崩れ、支える人より支えられる人の方が多くなるこの一点ですよ。そうだ、一番の頭脳は、支える側の職業に向けられるべきだ。
４．支える側の職業とは何か？農業だ。教育、警察、消防もそうだ。一番は農業だ。他の職業は、農家から食料を買う金を稼ぐためにあるようなものだ。それは、農家に差し出す家屋であり、家電であり、雑貨であり、サービスである。だから、一番の頭脳は、農家に注がれるべきだ。たらふく食わして欲しい。
５．日常生活とは、要するに食事と食事の間の暇つぶしにすぎない。人気職業は、ファッション、メディア、コンテンツ（小説、音楽、映像、アニメ、ゲーム）など文化産業だが、文化産業は、生活の質を高めるけど暇つぶしのの玩具だ。日本は、昔はちゃんとやってた。原子力発電なしで農業自給率１００％で。今は目先を間違えてる。
６．しかし、情報通信による情報の流れ、輸送手段の発達による人の流れ、国際的な資金の移動、投資環境の整備など様々なグローバル化が進み、もう、国内で農業だけしている生活に戻ろうとする人はいない。そもそも、平安時代から中国との交易があったくらいだ。
そして、上記１〜５までの考えがブレ始める。
７．人は新しいものを欲するし、また、異国に尊敬されるような文化を見せつけるようにしないと、異国から攻め込まれてしまう。だから、結局、異国と交渉する人や、世界に発信するような文化を担う人というのは、国家の安全保障のために必要と言っても過言ではない。
８．また、途上国の工業化などにより、先進国がカネを稼ぐためには、創造性を経済価値に変えるクリエイティブな産業、つまりコンテンツ、デザイン、ファッション、建築、科学、工芸、食、観光が興り、既存の消費材生産や、小売業などとコラボしていく必要性は否定できない。結局のところ。
９．そして、このような商取引が公平に公正に安全に行える環境を整備するための法律をつくる人や、監視する人、会計士・弁護士のようなサポート役も大事である。
また、経済活動以外にも、Yahoo!オークションやシェアハウス、クラウドファウンディングなど、個人と個人が企業を通さないでコラボする環境を支える役割、それはネットでも、町内会の掲示板でもいいはずだが、担える人材も待たれる。
10．また、男性も女性も働く時代となったので、これまで家事とされていた食事、掃除、洗濯、育児、介護などがどんどんアウトソーシング、企業が参入している。上記の仕事に従事する人が仕事に専念できるよう、家事サービスを担う人々も、やはり大事だ。
11．職業に貴賤はない、などと偉そうにいう気はない。実際、ハローワークの求人倍率だって、職種によってまちまちで、人手が足りてない会社もあれば、仕事がないと嘆く不満分子もいる。そういった希望職種に就けない人々の相談に乗り、マインドチェンジ・スキルチェンジさせ、企業とマッチングさせる機能だって必要だ。
12．さらに脚光を当てたいのは「対事業所サービス業」。例えば、部品材料、原材料（自動車のガラスやゴムホースなど）メーカーで、直接消費者が関わる事の少ない企業。他に卸売業，倉庫業，貨物運送業，修理、事業系リース、広告業など。
13．電力、ガスなどエネルギー産業に従事する人たちや、電車、バスなど公共交通、物流、公務のように、うまく行って当たり前、供給や運営がストップしたら怒られる職業の苦労だって讃えたい。刑務所や死刑執行人だって、大変だ。
14．教育については、教育学部の偏差値が一番低いことが、かねてから気になっていたが、教育や職業訓練は、家庭や企業も担うのであるから、必ずしも教員に最高の頭脳を集める必要はないと今は考える。名選手が名監督にるとは限らないし、将棋教室やゴルフのレッスンプロなど普及に成功している人が、必ずしも、第一線で活躍している人とは限らないし、その必要もないと。
15．ルフィは、「支配なんかしねェよ この海で一番自由な奴が海賊王だ」と言った。この海では、自由と自由がぶつかったら力で解決されることが多いようだが、現実社会では、裁判所という紛争解決手段がある。また、富の有る者からカネを吸い上げ、無い者に配分する税と社会福祉システムもある。このような仕組みを、維持・発展させる政治家や意欲ある公務員も不可欠だ。
16．まとめ。最初は、一番大事な職業をひとつ挙げるつもりが、次々を思い浮かんで、しまいには、漏れが無いか気になるようになったので、この辺でやめとく。
ルフィは、「おれは助けてもらわねェと生きていけねェ自信がある！」とも言う。
現実社会でも、皆で得意分野を分業して、シェアする方が効率的だということで、人々は様々な職業に就いている。つまり助け合ってる。
