I me Mine

根暗なマイハートのネジを巻け!

高校演劇2


最優秀賞は『修学旅行(2005年)』


沖縄修学旅行先の宿の一室での出来事。


マンガ研究会の子
部員3人の新体操部の部長
生徒会長
夜中も素振りを怠らないソフト部員
そして、まとまらない女部屋をまとめようと奮闘する丸顔のメガネをかけた班長


ルックス的には、新体操部の部長に視線が集まるが、
画面の動きとしては、素振りするソフト部員
話の中心は、班長と生徒会長
そしてマンガ研究会の子(好みの男性はルフィー)が画面をなごませている。


この部屋があまり盛り上がってないと心配する班長を尻目に、
生徒会長が、ソフト部員にに素振りをやめろと言い、
寝る時は電気を消すか消さないかで意見対立し、雰囲気は冷えるばかり。
生徒会長の主張それ自体は普通だが、みんながちょっとずつ我慢して部屋の雰囲気が保たれていたので、生徒会長の自己主張が、
逆にわがままに映ってしまう。


では、好きな男子を投票したら盛り上がるのでは?という班長の提案から、
皆が紙にクラスで一番と思う男子を書くというゲームをした。
すると、その結果が一人の男子に集中し、ますます気まずい雰囲気に。。。


とうとう、その男子を呼び出し、真意を聞き出だすのだが、
そして、男子を部屋に連れ込んだことが先生にバレて朝まで正座。


あげく、恋の行方は思いもよらぬことになり・・・


最後に、沖縄旅行ということもあり、平和への視線も忘れない。


紛争がおきるのは、持つもの、信じるものの違いから、
具体的には貧富の差、資源、宗教対立などから起きる。


戦争の歴史を忘れず、平和を守って行くのは私達の役目だと、生徒会長
明日を信じて生きてくと、メガネの班長


話を、寝る時に電気を消すか消さないか問題に戻すと、
班長は多数決で決めようと提案し、多数決で電気を消さない結論を得る。
それでも「多数決って正しいのか?」生徒会長がごねるので、
班長は「では、少しだけ電気を暗くしようか」と皆に提案する。


また、先生に正座を命ぜられて、先生が部屋を出て行ったら足を崩そうとするソフト部員に対し、「ちゃんとやろうよ」という新体操部長。
ルールを破ったからには罰をきちんと受ける。


電気を付ける、付けないの2択を多数決するのも民主的だし、
少し暗くするという中間案も紛争解決の知恵だ。
そして、皆がすこしだけ我慢することで全体が調和しているのも社会だ。
また、ルールを守るし、破ったら罰を受ける、こうした形で秩序を保つ法治国家が、
人類の現時点における到達点でもある。


ちょっとしたシーンだが、この話が、平和が大事だと言いっぱなしで終わるのではなく、
平和を保つ知恵、紛争解決の方策が、女の子たちの部屋で、
ドタバタ劇のなかに、見出すことができる、それが魅力だと思った。